金色の蛇

2017/11/12

ピカピカの 一年生

制服が大きい感じのする 若い駅員が

券売機の前に立っていた

JR東日本の 金色のストライプのネクタイ

わたしがいつも 蛇柄 と呼んでいる

まぶしいネクタイが

首元に 輝いていた

 駅員は身体に蛇を持っている

 もちろん もちろん 生きている 蛇です

  お客さま 

  駅員のだいじなお客さま・・・が

  駅員に声をかける

  それは頑固そうなお爺様

  若い駅員はかたい笑顔で

  身体を動かさず

  頭部だけを前に出す

  ふぅ  

    駅員さん

    今日はどんな一日でしたか

    わたしはすこし つかれました

    働くってことは ありがたいけど 疲れることですね

    もちろんわたしも 持っています

    桃色の蛇を

    わずかに 腰に 巻いて

    いえいえ 飼いならせません

 ピカピカの 一年生

 若い駅員がいまお爺様から解放され 

 はぁ

 またさみしそうな雰囲気で 立っている

 だれかぼくに声をかけてみませんか

 影の薄い 板みたいな駅員

 仕事なんて自分で探すもんだといわれて泣きそうになった日

 制服が まだ 緩い駅員に

 夕陽が差し込み

 にょろりと

 何匹も

 何匹も

 金色の蛇が

 胴体に

 首筋に

 遊んでいる

 舌をちょろちょろ出して

   働け、働け、遊べ、働け、

 蛇 締めないで

 蛇、どうか。

 ああ

 社会人って厳しいものですね・・・

 とは

 わたしの声だった

 今日も仕事でした。仕事があるのは有り難いですが、もっと上手に仕事できたかなあ、とか、反省するばっかりです・・・・。駅員も、仕事に対して、反省したり、自己嫌悪に陥ったりすることがあるのかな・・・・。

 駅やお店が節電しているのをみると、あの震災は夢じゃなかったんだなと思います・・・・じわじわと、震災後を生きている実感が、増えてゆきます・・・・・。ひとりで大きくなったような顔をしたわたしが、ひとりでは生きられないことを実感しています・・・・・・いま、なにが、起こってるんだろう・・・・考え続けています。